青の鳥@STスポット

美邦さんの作品はデュラスを彷彿とさせると今回は特に思った。周りで絶賛する人が多いのだが、私は今回扱ってる幻想的な主題や物語の筋は圧倒的に好きなのだけれど、それ以外の点ではそこまで乗り切れなかったので、ちょっととまどう。文化祭のパートが浮いていたし、『三年二組』の方がよかったと思う。役者さんも美邦さんも初日に較べてひどかったと言っていたせいもあるのかもしれないが、役者さんたちはとてもよかったと思う特に稲毛さんはどんどん成長著しく、ニブロールに欠かせない役者になってるなあと見とれた。あの挑発的で小バカにしたようでかつ蠱惑的でキュートな表情はちょっとすごい。0さんが言っていたがニブロールの役者たちは体だけじゃなくて声がいいというのは確かに。体の所作の一部としてどこの劇団よりも声が生きてくるってのは面白い。ただ本公演とワークインプログレスを比較してもという感じなので、本公演と較べて判断したい。最近観るものがよく先日のルネ・ポレシュの『ソイレントグリーン』じゃん(ひそひそ声でマイクで喋ったり、ぎゃあぎゃあ叫んだりっていう適切なバランスを故意に壊す行為)、と思ってしまうことが多くて(『モーターサイクルドンキホーテ』のときも)。ラディカルとか新しいというものが結局一つの方法論として回収されてしまう、或いは観る方がそういうブラックボックスに収めてしまう問題について考えてみたい、気がする。