デメキングオールナイト

いただいたお知らせを転載!丁度グエムルも見ていないし、私もいこうかな。

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いましろたかし『デメキング 完結版』
発売&増刷記念イベント
「デメキング☆オールナイト!!」
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●トークショー
「いましろさんの頭ンなか」
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出演:
いましろたかし
長尾謙一郎(漫画家)
いまおかしんじ(映画監督)
司会:大西祥平(漫ぶらぁ〜)
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●映画上映
「デメキングにまつわる映画たち」
--------------------------------『デメキング』
(監督 いまおかしんじ/1998年)
『グエムル―漢江の怪物』
(監督 ポン・ジュノ/2006年)
+他1本
【日時】
2007年8月24日(金)
開場23:00/開演23:15(5:00終了予定)
【場所】
ポレポレ東中野 03-3371-0088
http://www.mmjp.or.jp/pole2/map.htm
【料金】
¥2500
※デメキング特典あり
当日、『デメキング 完結版』(太田出版)を
お持ち頂いた方全員に、
秘密の小冊子(コピー)をプレゼント!!
※前売り券(整理番号付)は、劇場窓口(8/4〜)・チケットぴあ(8月中旬〜)にて発売。
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【企画・問合せ】
太田出版 03-3359-6262(担当:梅山)
協力:SPOTTED PRODUCTIONS

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『デメキング』復刊によせて

中田健太郎(批評家)
『デメキング』が8年ぶりに復刊される。描き下ろしの結末部を含む、
完結版での再刊だ。こんなに嬉しいことはない。
というのも、これは好事家の秘蔵や投機の対象となって、
「伝説の奇書」として収まっていいような漫画ではないのだ。
作品が描かれたのは、1991年。
『ハーツ&マインズ』や『ザ・ライトスタッフ』で
若者の自意識を描いた作家いましろたかしが、
エンタテインメントへの転換を計った画期の作である。
怪物の謎を追うSFミステリーとしての企図が、
すべて達成されたわけではないが、
「失敗作をあえて楽しむ」類の趣味的な気遣いは不要だ。
作家の筆は迷い蛇行しつつも、そのようにしてしか捉えられない
謎と不安の輪郭を象っている。
デメキングとはなにか?
読者にも、登場人物にも、作者にもそれが分からない。
日本社会の不安? 自意識の謎? 生の不条理? かすかな希望?
象徴はとめどない。
しかしなにより重要なのは、デメキングがたしかに実在しているということだ。
いましろは、それを妄想や比喩のうちにごまかしはしない。
だからわれわれも、直視して迎えよう。
デメキング現わる。
いや、この怪獣はいつもわれわれの生の裏側に潜んでいたのだ。
ただ、時代がときにそれを覆い隠してみせていただけのことである。
(初出『クイックジャパン』vol.73)

■九龍ジョー(ライター)
畏友・杉田俊介が立ちあげた『フリーターズ・フリー』っていう
雑誌の創刊イベントだとか、仕事でたまさか関わった
雨宮処凛著『生きさせろ!』絡みのシンポジウムなんかでやたら出くわす、
Kという男がいる。
聞けば、半年前まで静岡の自動車工場で働いてたのだが、
2ちゃんねるで「政治意識」に目覚めたとかで、
いまは新宿のネットカフェに寝泊まりしながら、
それっぽいイベントに顔を出しまくってるという。
このK、二言目には「金持ちをブッ殺したい」「大企業を潰したい」と
口にすることからも分かるとおり、とくに高尚な思想なり思惑なりを
持ちあわせているような男ではない。
ただ、その吃音の端々から滲みでる<なんかすごいことをやりたい>という
宿意に触れるたび、オレはまるで『デメキング』の蜂屋みたいじゃないか
と思ってしまうのだ。
それにしても、かつてなくデメキングの影を身近に感じる時代である。
いましろはやはりド天才なのだろう。
今回、復刊にあたり描き足した2ページも、ブレなく時代を撃っている。
オレなりに解釈させてもらえば、こんな感じか――
デメキングはいる。そう、アンタのすぐ隣りに。
(初出『spotted701』vol.2)
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デメキング 完結版

デメキング 完結版